予防接種Vaccine

予防接種

― 予防接種 ―

人の体には病気を引き起こす微生物が入ってくると、これを攻撃し病気にならない仕組み(免疫システム)があります。生まれたばかりの赤ちゃんには、へその緒を通してお母さんから病気にならない免疫成分が移行していますが、時間とともに低下していきます。そのため乳幼児期は病原微生物に対して弱く、感染症にかかるリスクが高いと言えます。この時期に、子供たちに重い感染症から守る力を付けておくのがワクチンの働きです。

B型肝炎ワクチン
(2016年10月より定期化)について

日本では約130-150万人がB型肝炎ウイルスに感染しているといわれています。また乳幼児期に罹ると、長い年月を経て肝硬変や肝癌を引き起こす病気です。国内では小児期のB型肝炎ウイルス陽性率(感染)は0.025%-0.036%、感染後ウイルスが体外へ排除された痕跡のある(ほとんどは無症状)小児はその数倍-10倍以上いると推定されています。
従来からB型肝炎ウイルスを持つ妊婦からの母子感染予防は制度として行われていましたが、これからは全ての子供たちにワクチンを接種することとなります。これはB型肝炎ウイルスは家族からや集団生活施設などで血液以外にも唾液、涙、汗などを介し容易に感染が起こりうる事、感染時の年齢が低いほど(特に3歳未満)ウイルスを体内に持ってしまう率が高い事、感染防止にワクチンの効果が非常に有効である事などからです。なお国内で認可されているワクチンには異なる遺伝子由来の2種類がありますが、いずれも他の型に対しても有効である事がわかっています。
なお、定期接種の対象年齢以外の方も任意接種として接種可能ですので御相談ください。

― 予防接種スケジュール ―

現在日本の赤ちゃんが1歳までに受けるべき予防接種はBCG、ロタワクチンを含め6種類、回数にして15~16回とかなりの数が有ります。これらを1つずつ接種していくと相当な期間が必要です。この間にワクチンで予防できる病気にかかってしまう心配もあります。そのため早い時期から免疫を付けておくには複数の予防接種を同時に接種することが推奨されます。この方法は、有効性や副作用ともに変わりがないことがわかっています。スムーズなワクチン接種には生後2ヶ月頃からの接種開始が望ましいでしょう。ワクチンに関してご不明な点、具体的な接種スケジュール等ご質問がございましたら、お気軽にご相談下さい。

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